6月に発生した大阪北部地震のブロック塀倒壊の事故の後、組立塀についての安全に対する問い合わせが急増しています。
組立塀についての法的根拠や安全性の説明は、前月のページに掲載しましたが、今回は、問い合わせの多い「安全ではない組立塀」について説明します。
当社では、「安全ではない組立塀」は次の①~④の不適合に分類しています。
① 計画時からの不適合
・全ての柱が、直柱のみで建てられている。
・地上高2.4m以上あるにもかかわらず、控付柱と直柱を交互に使用している。
・組立塀の柱を利用して、組立塀の上に目隠しパネル等を設置している。
② 基礎施工不良による不適合
・組立塀に不陸が生じ、柱が沈んで、板が斜めに下がってしまっている。
・組立塀に前後左右の倒れが発生している。
・板と板との間の目地モルタルが欠落し、隙間ができている。
・柱に所定寸法の根固めコンクリートが、打設されていない。
③ 事故による不適合
・板が折れて、孕んでいる。
・柱が破断されて、揺れている。
・柱が一部欠損し、板が外れかけている。
・かさ木が浮き上がって、外れかけている。
④ 経年劣化による不適合
・柱に爆裂が発生している。
・板と柱の間の目地モルタルが欠落し、板面を押すとパタパタと音がする。
各々の不適合についての対処方法については、補修や建て替え等の状況に応じた対処の仕方がありますので、お問い合わせ願います。
また、定期的に製品のひび割れや、塀全体の歪み、目地モルタルの欠落等を目視点検することで、「安全ではない組立塀」の早期発見につなげ、適宜に対処することで組立塀の安全性を維持することができます。